住宅ローンでお悩み相談がありましたので、こちらでもシェアさせて頂きたいと思います。
事務手数料と金利の関係
今回、ご相談のあったお客様は、何度かお買い替えをされている、不動産に関してはかなり知識のある方です。
そのような方でも、一見見落としがちなのが、事務手数料の事です。
住宅ローンの中で大きなポイントとなるのが、以下の4つではないでしょうか。
- 審査に通る商品を持っているか
- 自分に合った金利商品を持っているか
- 事務手数料や保証料を月払いローンに上乗せ出来るか
- 保険などの付随商品・付加価値が魅力かどうか
そのなかでも金利については、各金融機関さんが大きく広告していますので、比較はしやすいのですが、事務手数料については、商品内容のPDFの細かい字を読まなければわからなかったりしますので、iphoneやスマホ・携帯で見るときは、非常に注意が必要です。
事務手数料
例えば3000万円のローンを組んだ場合、事務手数料が
- A.【32,400円】の金融商品
- B.借入金額の2.16%=【648,000円】のフラット35やネット系の商品
があります。
そして【32,400円】の方には保証料(※)が支払い期間によって付加されます。
※住宅ローンの保証料とは…
貸出金融機関から所定の保証会社による保証を求められることから、保証会社が、借入者本人が万一返済できなくなった場合に、「保証会社が借入れした本人に代わって、金融機関に残りの債務を全額返済してくれるという仕組み」に対する利用料のようなものです。但し、本人が貸出金融機関に返済できなくなり、保証会社が金融機関に一括返済したとしても、保証会社への債務は残ります。また金融機関によっては、審査事案毎に保証料率が異なる場合があります。
詳細はお問い合わせ下さい。
この時、一生住みたいとか、30年以上は住むだろうなという方で、自己資金を多く持っている方は、先に費用を支払ったケースでシミュレーションする方がお得です。
そして、5年位で住み替えるかも知れないな・・・という場合、先払いの保証料は、5年消費した残りに相当する分に手数料を差し引いて戻ってきますが、先払いの事務手数料は、戻ってきません。
ローンシュミレーション
先の3000万円のローンで5年後の総支払い額でシミュレーションしてみます。
Aの場合 | Bの場合 | |
変動金利 | 0.85% | 0.457% |
保証料 | 金利に上乗せ | なし |
団体信用生命保険(※) | あり | あり |
支払予定期間 | 35年 | 35年 |
月返済額 | 80,953円 | 77,307円 |
事務手数料 | 32,400円 | 648,000円 |
5年総支払額 | 4,857,158円 | 4,638,412円 |
残債額 | 25,715,914円 | 26,002,350円 |
このまま比較すると、Bだけ最初に事務手数料60万円強を自己資金から出している形になってしまうため、Aについては借入額を2,940万円として計算シュミレーションしています。
※団体信用生命保険とは…
住宅ローンを借り受け、返済途中に借入者本人が死亡あるいは高度障害状態になった場合、保険金でローンの残額が返済される仕組みです。保険料はローン開始時に一括支払いする方法や、ローン金利に上乗せする方法があります。また、もともと金利に含まれているものもあります。最近では、付加価値商品として、借入者本人等がガンや心筋梗塞などになった場合も保険金の支払要件とする商品もあります。
詳細はお問い合わせ下さい。
5年で売却する場合、総支払額では、Bの方が22万円少なく、残債額では、Aの方が30万円ほど多く減っています。付加価値に魅力があればBも良いですが、Aの方が8万円お得と言えるかも知れません。
しかしながら、このまま10年過ぎて売却した場合は、総支払額で約43万7千円Bが少なく、残債額ではAが4万円多く減っています。ここまで来るなら、Bの方が良かったかぁという感想になるかも知れません。もっとも、10年ということになると、金利の上昇等、他のリスクも考えなければならなくなります。いずれにしても、将来の事はどうなるか分からない点も多くあります。購入予定先の不動産会社や金融機関さん等に頼めば、何通りかのシミュレーションを作ってもらえますので、比較検討してみることが大切かと思います。
※シミュレーションのため、あくまで参考にして下さい。借入日等により金額等に変動がございます。抵当権設定費用等その他諸費用は計算に入れていません。