先日、以前のお客様からご連絡を頂いた内容です。
「YouTuberをやっていて、そこそこ安定した収入があるのだけど、親御さんに迷惑をかけたくないんです」という、未成年者の友達がいて、
引っ越し出来ればなぁ~というご相談でした。
早速、当社でおつきのある保証会社に連絡してみると、
「『親権者引受同意書』に親御さんが署名捺印して頂けるという事と、YouTube上の登録名を教えてもらえれば、審査の土台には上がりそうです!」
との旨、
おっ、これで行けるかな・・・と思いきや、実は・・・
『親権者引受同意書』の内容には、賃貸保証会社が大家さんとの契約に関して、一次的に保証を引き受ける・・・これに対する同意と同時に、賃貸保証会社への連帯保証人を引き受けるという内容だったりします。(保証会社により異なる場合があります)
未成年者が、法律行為(賃貸借契約を結ぶことも法律行為です)を行う場合、法定代理人(親権者である親御さん等)の同意が無ければ、その法律行為そのものを取り消す事が出来ます。(※1)
賃貸借契約で言えば、未成年者と大家さんとの間で賃貸借契約を結んだとしても、その契約自体が取り消され無かった事になってしまうという事があり得るのです。(民法第五条)
そのため、賃貸借契約を未成年者と不動産会社を含む大家さんとの間で結ぶ時は、ほぼ必ず親権者の同意を求められます。本人に収入が無い場合は、親御さんが契約者とならないと契約出来ません。
今回、相談者の友達が希望している未成年者が契約の主体となることは、「親御さんの同意書があれば可能」・・ですが、「親御さんに迷惑をかけたくない」という方の希望は、契約上、最初から約束することは難しい。という事になります。このあたりの成年の部分について、民法大改正で変わるかも知れませんが、民法大改正が施行される頃、この方は成人になっていて・・・もう少し待ってもらった方が良いのでしょうかね。
第五条(未成年者の法律行為)
- 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
- 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
- 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
(※1)法律行為(この場合、賃貸借契約)が取り消されたとしても、支払った賃料が戻って来るわけではありません。このあたりは、難しい内容になりますので、blogを読んでご相談があるという方は、弁護士さんを紹介したり、県の法律相談センターを紹介することになります。