11月21日付ブログで、ご紹介した諸費用例を、実際のところどこまで削減可能かを、検討してみたいと思います。
諸費用というのは、契約時~残代金決済時に必要な売買金額以外以外の費用と不動産取得税やお引越し費用等としています。
その諸費用分は、諸費用ローンで組める場合もありますが、実際のところは審査が厳しかったり、金利が2%前後アップする金融機関さんが多く、多くを手持ち資金に頼らざるを得ません。そこで、あまり手持ち資金を使いたくないという方のために、諸費用削減パターンをシミュレーションしてみました。審査や交渉により不可能になることもありますので、要ご相談です。
売買金額 | 39,000,000円 |
---|---|
印紙代1*1 | 15,000円 |
印紙代2*2 | 30,200円 |
仲介手数料*3 | 1,291,500円 |
登記費用*4 | 450,000円 |
火災保険料*5 | 167,400円 |
融資手数料*6 | 31,500円 |
保証料*7 | 803,946円 |
引越し費用*8 | 300,000円 |
住民票など*9 | 3,000円 |
振込手数料*10 | 3,000円 |
清算金*11 | 220,000円 |
不動産取得税*12 | 0円 |
(諸費用合計概算)3,305,546円 |
諸費用合計概算3,305,346円となり、諸費用率は物件価格の約8.5%です。
ちなみに、10年固定金利1.4% 35年ローンで計算すると月々の返済額は117,511円となります。(管理費・修繕積立金・駐車場代は別途必要)
この場合、別途諸費用分をご用意頂くことが必要になります。
他に、リフォーム手直し費用と、カーテン代、インターネット・TVなどインフラ接続に係る費用が必要となります。
この中で、減額出来る可能性のあるもの
- *1→契約書印紙代 契約書1枚でコピーを保管する場合、売主様と折半という場合もありますが、契約書をなくすと後々大変ですので、これはあまりお薦めしません(プロ業務用です)
- *2→ローンの印紙代 変動金利にする等、固定金利特約の印紙代を不要とした場合は10,000円削減できます。
- *3→仲介手数料 キャンペーンや分割払い等を交渉。
- *4→登記費用 登録免許税など絶対必要な部分が大半。土地持分割合が少ないマンションの場合、評価額が小さいため、土地登録免許税も少なくなります。
- *5→火災保険料 国負担分のある地震保険は各社一律。1年毎の契約により、初期費用を減額することは可能です。
- *6→融資手数料、JAさん、ろうきんさん以外の銀行はほぼ横並び。フラット35等は別途。
- *7→保証料 金利を0.2%上げるなどにより、初期費用としてはなくすことが可能の場合あり。
- *8→引越し費用 4tトラックを借りるなど自分で運ぶ部分を多くする、引越し業者提携キャンペーンなどを利用、頑張れば減額は可能です。
- *9→住民票・印鑑証明等取得費用の300円×枚数は、コピー不可の場合がほとんです。多数の金融機関に同時に申し込む事は費用の無駄になるだけでなく、審査面からも不利になる場合もありますので、ご注意下さい。
- *11→清算金 固定資産税等清算金は、お引渡し日が12月末日に近づくほど、少なくなります。 管理費等清算金は、月末〆が大半ですが、翌月分も支払うことになりますし、毎月支払っていくものですので、削減効果はありません。
減額出来た場合…
印紙代1*1 | 15,000円 |
---|---|
印紙代2*2 | 30,200円 |
仲介手数料*3 | 195,000円(分割後払い) |
登記費用*4 | 450,000円 |
火災保険料*5 | 20,000円(毎年払い) |
融資手数料*6 | 31,500円 |
保証料*7 | 0円(金利0.2%UP) |
引越し費用*8 | 300,000円 |
住民票など*9 | 3,000円 |
振込手数料*10 | 3,000円 |
清算金*11 | 220,000円 |
不動産取得税*12 | 0円 |
(初期費用合計概算)997,700円 |
結論としては…
自己資金(手持ち資金)が少なかったとしても(使いたくなかったとしても)、ご相談いただければ、なんとか出来る場合もあります。
ただ支払う金額が後になるだけの場合もありますので、ご注意下さい。繰り上げ返済やお買い替えをお考えの方には、フラット35の事務手数料は、金利上乗せ方式を選んだ方が得な場合があります。
事務手数料は、繰り上げ返済しても戻って来ませんが、銀行の保証料は繰り上げ返済するとある程度戻ってくるというところが、注意点です。
そうであってもフラット35の長期固定金利は超魅力的な低金利です。10年以内で引っ越す可能性が高いのか、ずっと住む(返済し続ける)可能性が高いのかも併せて考えるといいですね。
ちなみに・・・。
3000万円のローンを期間35年間で借りたとき、金利と事務手数料と10年後の残債の関係を記しておきます。
フラット35例 金利1.8% 10年後23,257,087円
但し、金融機関により3.15万円、45万円、60万円の事務手数料、場合によって団体信用生命保険料が必要
銀行例 金利2.1% 10年後23,540,012円 事務手数料要。
銀行系は、事務手数料が安いところが特徴です。
10年以内に引越などで、全額繰上返済する可能性が高一場合は、もちろん10年固定金利か変動金利や短期固定金利(銀行)の方が有利です。
- 表内の金額はあくまでも概算ですのでご了承下さい。
- *1印紙代1:売買契約書に貼付。1000万円超~50000万円以内15,000の印紙税が必要、要特約
- *2印紙代2:金銭消費貸借契約=住宅ローンを組む場合の契約書に貼付。及び固定金利特約の印紙代を含めています。
- *3仲介手数料については最大で消費税5%時、業者によっては正規手数料と呼んでいるところもあります。契約時に半分、決済時に残りを支払うケースが多くなっています。
- *5火災保険料は家財保険100万円を含む25年間プラン例・・・マンションと戸建と火災保険については大きく異なります。
- *6融資手数料・金銭消費貸借契約印紙代は、ご夫婦でローンを2本立てに組む場合など、2倍等になる場合があります
- *7保証料は、金利上乗せタイプを選択した場合は不要。先払いの場合は借入額100万円当たり20,614円~30,923円が必要今回100万円当たり20,614円の場合を例にとっています。今回は物件価格の100%である3,900万円を借入れたとして計算しています。
- *8引越し費用については、お任せ楽々パックなどのプランや距離、荷物の量などによって変わります。
- *9振込手数料については、売買代金・火災保険・融資保証料などの振込費用です。
- *10清算金とは(1)固定資産税都市計画税1年分に対する日割り清算分(2)管理費・修繕積立金等の1ヶ月分に対する日割り清算と翌月管理費等の清算分(3)駐車場代の清算分です
- *11不動産取得税は、条件に合致すれば0円です。投資などの自らが居住しない場合や、このマンションではありませんが築年数や登記簿面積が、規定以下の場合別途発生します。