町名別災害被害状況の調査続報
「ある地域の検討物件」町名別災害被害状況の調査を22日付けのブログで紹介させて
ちょっと長いですが、おつきあい下さい。
記録に残っている昭和50年以降の横浜市の災害情報でその地域の1「丁目」分の被害履歴を調べてきました。
左から
災害日時・災害種別・被害種別・被害分類(住宅かそれ以外かという意味)・被害を受けた棟数・世帯数
の順に古い順に並べています。
災害日時 | 災害種別 | 被害種別 | 被害分類 | 棟数 | 世帯数 |
---|---|---|---|---|---|
昭和50年10月8日 | 大雨 | 床下浸水 | 住家 | 4棟 | 12世帯 |
昭和50年11月7日 | 大雨 | 床下浸水 | 住家 | 10棟 | 10世帯 |
昭和51年6月15日 | 雷雨 | 床下浸水 | 住家 | 40棟 | 67世帯 |
昭和52年8月19日 | 大雨 | 床上浸水 | 住家 | 15棟 | 15世帯 |
昭和52年8月19日 | 大雨 | 床下浸水 | 住家 | 46棟 | 46世帯 |
昭和56年7月22日 | 大雨 | 床上浸水 | 住家 | 32棟 | 35世帯 |
昭和57年9月12日 | 台風18号 | 床上浸水 | 住家 | 12棟 | 12世帯 |
昭和57年9月12日 | 台風18号 | 床上浸水 | 住家 | 25棟 | 25世帯 |
昭和58年7月9日 | 大雨 | 床下浸水 | 住家 | 19棟 | 19世帯 |
昭和60年6月30~7月1日 | 台風6号 | 床下浸水 | 住家 | 7棟 | 12世帯 |
昭和60年7月14日 | 雷雨 | 床上浸水 | 住家 | 5棟 | 5世帯 |
昭和60年7月14日 | 雷雨 | 床下浸水 | 住家 | 20棟 | 20世帯 |
昭和63年6月16~17日 | 集中豪雨 | 床下浸水 | 住家 | 23棟 | 25世帯 |
昭和63年6月16~17日 | 集中豪雨 | 浸水 | 非住家 | 8棟 | |
平成元年8月1日 | 台風12号 | 床下浸水 | 住家 | 10棟 | 16世帯 |
平成元年9月19~21日 | 台風22号 | 床下浸水 | 住家 | 3棟 | 3世帯 |
平成元年9月19~21日 | 台風22号 | その他 | 非住家 | 1棟 | |
平成3年9月8~9日 | 台風15号 | 土砂流出 | 1箇所 | ||
平成8年9月22日 | 台風17号 | 一部破損 | 1棟 | ||
平成9年6月20日 | 台風7号 | 一部破損 | 1棟 | ||
平成23年9月21日 | 台風15号 | 停電 | 一帯 |
さて、これを見た感想として、どう思いますでしょうか?
・床下浸水 10件
・床上浸水 5件
・浸水1件
・一部破損2件
・その他3件
同じ日付の災害が5件だぶっていますが、38年間で21件(16回の災害)、購入しようとしている物件と同じ丁目で被害が出ていると思うと、「その分、ちょっと安いかもしれないけど、止めておこう」と、思ったりしませんか・・・???
実は、ここから読み取ることはそれだけではないのです。
真実は、徹底的に調べてわかる
記録が残っている昭和50年~平成元年までの15年間と、その先の20数年間の被害状況がまるで違うのです。
平成元年の被害以降、床上浸水はもちろん床下浸水さえ、一度も被害が出ていません。
ここに気づいた、不動産コンサルティングマスターは、市民情報室から横浜市の環境創造局に電話してもらい、治水状況を教えてもらうように頼みました。
環境創造局の担当の方から「推察通り、平成元年前後に、下水管の本管の工事、水道道の整備、その後、せせらぎ緑道の整備等を行ったことにより、被害がなくなってきたものと考えられますね。」との連絡を頂きました。
同じ丁目であっても、当該物件の番地付近と被害が多発していた地域とでは、海抜高度にして3~4m前後の差があることもあり、同じ番地内での浸水被害は38年間ありませんでした。
また、丁目内で14年振りの被害が停電で、これは、もう町内も通りこして、市内全域で9万5千戸の停電が起こっていたようです。
念には念を入れるなら
この物件が浸水する可能性は、少ないと思えるようになりました。しかしながら、全ての災害から絶対に安全という保証はどこにもありません。台風や爆弾低気圧などの暴風雨の際は、お子様は特に家から出ない、窓際にいないようにして頂き、10年に一度と言われるようなとてつもない場合は、シャッターを閉め、窓にテープを貼るなどして、対策はとりつつ過ぎ去るのを待つしかありません。
後は、万が一の為の火災保険で、水害で被害に遭った分のリフォーム、復旧費用にあてられるように保険を掛けておくしかないと思います。
お正月明けに、報告書を作ってお客様にはお渡しします。選択肢の一つとして残ったことにより、お客様自身が選べる物件が増えて良かったと思います。
カテゴリ: 不動産コラム