富士山も雪をかぶり、四季は秋冬モードに。「わんこは暑さに弱い」ことは良く知られていますが、さて寒さに対してはどうなのでしょう。
冬場のように毎日が寒くなってしまえば寒さに体も慣れていくものですが、日中は暖かく日が傾き始めると途端に肌寒い寒暖差のあるこの時期や季節の変わり目は、わんこにとって体調を崩しやすいタイミングとも言えます。人間の場合は暑ければすぐに脱いで薄着になったり寒ければ着込むことができますが、わんこの場合は気温や日照時間の影響を受けて時間を掛けて換毛するからです。
わんこと過ごす中で、どの程度寒さに対しての対策をするかは犬種・月齢など体質によっても様々と言えましょう。方法も暖房器具だったり服を着せたり、はたまた断熱材であったりと様々な選択肢があるかと思います。
犬種の違いを考えると「被毛の長さ」や「被毛の種類」、そして「原産国」により違いがでます。ザックリと補足をすると、被毛が短いわんこの方が寒さに弱いものですし、保温性のあるアンダーコートを持ち合わせていないシングルコートのわんこも寒さには弱いです。そしてその犬種の原産国が暑い国の場合、寒さへの対応力が乏しい場合が多いです。
また、月齢でみるとまだ発育が未熟な「仔犬ちゃん」と7歳を過ぎた辺りからの「シニア犬」は気候変化の順応力が弱いので寒さ対策が必要なことが多いです。
暖房器具はどんなものをチョイスするか、おうちによって条件や好みが異なると思います。
電気カーペットを選ぶ場合、被毛の短い犬種は低温ヤケドに気を付けましょう。温まりながら寝てしまい、気付いた時にはお腹の皮膚がまっかっか!という事例がありました。
また、ストーブの正面を占領しすぎた結果、前胸の毛がチリチリに焦げてしまったわんこもいました。皮膚までは熱くなっていないので本犬は全く気付かず、飼い主さんが「何か焦げ臭い…?」と感じて気付いたのです。被毛の長さが中~長毛種の場合も要注意です。
「犬なのにそんな鈍感なの?!」と思ってしまいますがコタツで脱水症状を起こすわんこもいます。暖房器具と上手に付き合えるわんこも多いですが、快適が犬をダメにする(コタツは人間をもダメにしますよね…笑)ことがしばしば見られますのでお気を付けを。
その他の注意点として、ストーブやファンヒーター類は基本的に転倒した場合の安全消火機能がついていると思われますが、中型~大型犬の場合にシッポを振ったらストーブの上のヤカンをなぎ倒してしまったりヒーター自体を倒してしまう威力を持っていますので、ストーブガードを付けると安心です。
その点、エアコンの危険性は低いと言えますが乾燥に気をつけなければなりません。特に小型犬は気管支が弱い子が多いので加湿を心がけましょう。また温風によって抜け毛や埃が舞い散ることを考えるとブラッシングやお掃除はこまめにしたいものです。
速暖性はないものの心配が少ないのがオイルヒーターや遠赤外線ヒーターです。わんことの安全面の相性は良いのではと思います。
服を着せる場合はわんこ本来の動きが損なわれないことが第一です。関節などの可動域が充分配慮されていること。伸び縮みしない生地などは着脱の際に関節を痛める可能性もあります。過度の装飾は重くわんこに負担を強いるものもあります(パーカーのフードなど)。ファッションよりも着心地を優先させてあげたいものです。ただ、いくら着心地が良くとも長時間着用しっぱなしでは皮膚被毛に負担がかかります。毛玉ができやすくなったりもしますので適度に活用しましょう。
ちょっとした工夫で寝床を快適にすることもできます。わんこのプライベートルーム「クレート」を底冷えから守る為に、キャンプなどアウトドアで使用する銀マットが重宝します。
特に窓辺や壁際にクレートを設置している場合、地面からの冷気を和らげてくれます。かじったり掘ったりといたずらしちゃいそうなわんこの場合はクレートの中ではなく外側に敷くなどの配慮が必要です。
最後に、健康的なわんこにとって過保護に寒さ対策をしてしまうと自然の体温調節機能が狂ってしまい「冬なのに薄毛」「夏なのにモコモコ」という珍現象を引き起こすことにもなりかねません。また、おうちの中でヌクヌクし過ぎるとお散歩に出た時の寒暖差が身に堪えます。わんこの様子を観察しながら色々な条件を考慮し上手に寒さ対策をして快適な冬を過ごしましょう!!
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