4月は動物病院にとってフル稼働の忙しさを迎える季節ではないでしょうか。
わんこを飼っている方の手元には年に一回の狂犬病予防注射と登録に関してのお知らせが各自治体から届いているのではと思います。予防注射や春の健康診断、ノミ・ダニ予防などで受診される方が多いからです。
誰しも愛犬には元気な姿でいて欲しいと願っているのではと思います。
トレーナーの視点から言っても健康というのはしつけ・トレーニングと密接に繋がっていると実感しています。
例えば「室内トイレを失敗してしまう」というわんこ。カウンセリングで飼い主さんから日頃の様子をよ~くお聞きし、わんこの様子も見ます。そうすると上手くいかない理由が見えてきます。『わんこに分かりやすい方法で教えられていない』ケースが多いのですが、中には膀胱炎などの『身体的健康上の理由』で失敗をしてしまうケースもあります。そのような徴候がある時は動物病院への受診をお勧めしています。
信頼できるドクターをみつけることはとても重要です。でもそれ以上に日々のわんこを見守るホームドクター(=飼い主さん)の「観察なくして健康なし!」と感じます。
病院に行って「診てもらえれば分かるから」と思われている方もいらっしゃるようなのですが、当然わんこは自分で「ここが痛いの」としゃべって教えてくれません。人間でも問診があるように普段からみている飼い主さんが「いつもと違う…」と感じることを獣医さんに伝える必要があります。
それには普段からしっかりと観察し行動パターンや性格などを把握することが鍵を握ります。舌や歯茎の色や、耳の中の色や匂い。歩き方や食べ方などの変化はないかなど。五感をフルに使いましょう。(味覚は使いませんね^^)
スキンシップを通してどこを触ってもリラックスして受け入れてくれるようにするのも大切です。触って嫌がるとしても「いつも触れない」や「気分次第で触れる」ということと「いつもは触れるのに嫌がる」ということでは大違いですよね。また、触る部分もいつも同じところしか触らないと異変に気が付きにくくなります。わんこの心地良いようにゆっくり撫でて慣らしながら健康チェックをしてあげましょう。
口を開けたり、ひっくり返したり、横向きに寝かせるなどのボディコントロールのトレーニングに慣れていると診察や治療の際、ストレスを最小限に抑えたり治療の選択肢が広がることにも繋がります。
当たり前のことかもしれませんがご家族内での情報の共有も大切です。以前、家族それぞれにご飯の催促をして何食もごはんをゲットしていたわんこがいました。当然肥満傾向でしたが、皆さんそれぞれが適正量あげていると信じていました。ごはん、あげた・あげてないや、ウンチ、した・してないなどの健康管理の基本的な情報共有を確認し合いましょう。
怖がりな子の場合、「病院に行く」というだけで「いつもと違う状態」になりえます。
怖くて嫌がっているのか・痛くて嫌がっているのか判断しにくいこともあるでしょう。
怖がり傾向のわんこには、できるだけ健康な時に待合室や診察室で美味しいご褒美をあげて楽しい印象を付けてあげたいものです。最近では行動学に理解のある獣医師や看護師さんも多いです。持参した美味しいフードを渡してあげてもらいましょう。
また、陽気な性格なわんこは調子が悪いにも関わらず「獣医さんや看護師さんに構ってもらえる!」とはしゃいでしまう子もいます。元気だから…と重要な病気を見落としてしまうこともありえます。
何か気が付いたことがあったらなるべくメモしておくこともお勧めします。どんな風にいつもと違うと感じたのか、その異変はいつからかなど。「この間痛がっていた足は右…左…どっちだっけ」なんてことにならないように。
飼い主さんからの情報がなるべく多くあり、具体的に伝えられると獣医さんも判断材料が増え、それがわんこの健康に繋がるということを願っています!
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