9月1日は防災の日。大正12年の同日に発生した関東大震災にちなんだ日です。
小学生の時、夏休みが終わった始業式。校長先生の防災のお話があり、帰りは集団下校をする、という記憶が今でも残っています。
本当に最近「50年・100年に一度」と言われる災害が続いて起こっています。地震・噴火・台風・落雷・洪水・突風・竜巻・高潮など。自然現象によってもたらされる災難は様々です。
自然の力には逆らえず災害は起きてしまいます。どう事前に備えるか。特にわんこを暮していると自分の身だけでなく愛犬達の安全確保も大事な課題といえます。
屋根のあるサークル・クレートを選ぼう
2011年の東日本大震災。
あるおうちのわんこは屋根のないサークルタイプでお留守番中に被災しました。サークル周辺に置いていた物が揺れで全てサークル内に落下。幸い致命傷になるような物はなかったそうなのですが、帰宅困難な飼い主さんが夜中にやっと帰宅した時、わんこはサークル内で落下した物の中に埋もれながら震えていたそうです。
留守番時にはいたずら対策や落ち着く場所を提供するには、サークルなどを使用することは有意義です。
その際、落下物から身を守れるように屋根のあるサークルやクレートを選びましょう。また家具の固定や転倒防止、壁掛けの物、割れる危険性のあるものには保護フィルムをするなど危険になりうるものをチェックしましょう。
万が一わんこと一緒に避難が必要となった場合
万が一わんこと一緒に避難が必要となった場合、原則「ペットとは同行避難」ということを自治体も大きく訴えています。帰宅困難により置き去りになった動物達が社会問題として取り上げられたりもしました。
「飼い主との同行避難訓練」を実施した自治体もありますが、残念ながらまだ末端まで行き渡っているわけではないのが現実です。
避難所には沢山の人が集まります。動物が好きな方もいれば、アレルギーを持っている方もいるでしょう。また、不用意に手を出し兼ねない幼い子供や犬以外の動物などもいるでしょう。普段よりもより一層周りに配慮することが求められます。
更に行政の方のお話では「飼い主同士が協力し合い(『ペットの会』を作るなど)しましょう」とも言っています。ただ単に「同行避難と言われたんだから全てを受け入れろ」というスタンスではなく、例えばいくつか部屋がある避難所であれば「住み分けができないだろうか」など。非常時だからこそ協力し合って「家族」であるわんこ達を守ってあげたいものです。
わんこと日常的に避難訓練を
日常的なしつけも良き避難訓練になります。
- 緊急避難として呼び寄せた方が安全な場合は「おいで」
- 呼び寄せるよりもクレートがわんこの近くにある場合は「ハウス」…など。
ハウスについては以前のコラム(14年10月)でも少し触れていますが、
- 合図でハウスに入れる
- 合図がなくとも自ら休みに行く
のどちらもできていると理想的です。
毎日のお散歩で避難訓練をしておくのも良いと思います。どのルートが一番歩かせやすいかや周囲の危険箇所も確認しながら行けると有意義だと思います。
また環境の変化に対して順応性が高いとストレス度が違ってきます。これは仔犬の頃の「社会化(=慣れ親しませる)トレーニング」で決まってきます。社会化が大切なことは災害の観点からも言えるでしょう。
犬連れ旅行やキャンプに慣れているわんこは、ある意味避難訓練としても有意義だと思います。見知らぬ土地で寝泊まりすることにある程度慣れていれば、避難先でも落ち着いて行動が共にできることでしょう。
災害などで十分な対策を講じておかなかったために被る災害のことを人災といいます。
わんこ用の防災グッズも今一度チェックしましょう。消費期限もチェックしたいですが暑い季節と寒い季節とでは防災用品も少し変わってくると思います。半年に一度の定期的な見直しを3月と9月にしてみるのはいかがでしょうか。
避難方法や備えは飼っているわんこの大きさや頭数によっても違ってくると思います。ありとあらゆることを想定することは困難かと思いますが、日頃からのわんことの信頼関係作りからも防災に繋がることを願っております。