6月の第3日曜は父の日です。皆様は何か計画されていますか?
そして5月の第2日曜は母の日でした。何か贈り物や感謝を示したりされたでしょうか?
今年の母の日、私はちょっとしたプレゼントを用意していたのですが「いつもありがとう」と言いながら間違えて前日に渡してしまい笑われました。まぁ、「母の日だけでなくいつでも感謝をしています」という言い訳で。
愛犬の両親、父犬・母犬は会ったことがありますか?
この母の日・父の日にちなみ「うちの子の母・父は?」と思いを寄せてみたいと思います。あなたの愛犬の両親、父犬・母犬は会ったことがありますか?もしくは何か情報を知っていますか?
私の相棒・といち(1999~2014)の両親犬ですが、母犬と兄弟犬は一緒にいたので会いました。そして父犬に関してですが“多分”会いました。なぜ“多分”なのか。それは出会った時の回想から。
愛犬「といち」との出会い
和犬の仔犬を探していた当時、友人から「近所の動物病院で仔犬の里親募集してた」という情報をもらい車で1時間かけ会いに行きました。飼い主さんのお宅に行くと平屋の母屋の周りに約10頭近くの雑種の成犬達がそれぞれの小屋に繋がれていました。母犬と2頭の仔犬達は繋がれていなくて、母屋と庭(多分ご自身の敷地ではなさそうな裏の雑木林)を自由に行き来していました。母犬は推定7歳の柴犬(の雑種にみえましたが、飼い主さんが柴というので柴)。「父犬は誰か分からない」という話でしたが、兄弟犬の1頭が“体は茶色で前足だけ白い靴下をはいたような色合い”でそれに瓜二つのオス犬が繋がれているわんこたちの中に1頭いました。「父親は君だな?」と。断定はできませんが可能性濃厚。
父犬・母犬を見ることで、仔犬ちゃんの傾向が推測できる点がメリットです。
将来の体の大きさ。純血種では犬種標準の目安はありますが血統によって個体差があるので親犬の大きさは目安になります。
落ち着いている傾向か、活発なのか。どんな性格・気質を持ち合わせそうか。兄弟でも性格・気質は違うものなので一概に言い当てることはできませんが、どんな傾向が考えられるかと情報のひとつになります。
また健康面で先天性・遺伝性疾患の有無や、どんなところに気を付けたらよいかなどの指針にもなりえます。
そして両親犬を見るということは、わんこ単体の情報だけでなく飼育環境も知れるということになります。
きちんと清潔な環境か。親兄弟と一緒の時間を過ごしているか。ヒトとの生活スペースが近くにあり生活音やヒトに慣れ親しんでいるかなど、家庭犬として迎え入れるのであれば気になるところです。
また排泄場所の素材(ペットシート、新聞紙、新聞紙ちぎり、コンクリートなど)を見ておくと、おうちに連れてきた当初に成功しやすいものです。
といちの両親犬はどうだったかというと、母犬は仔犬達を引き連れて歩き優しく接しお世話する様子を見ました。免疫に大切な初乳もきっと貰えているであろうことが推察できました。ただ心配は7歳とわんことしては高齢出産。どこか体の弱いところが出るかもしれないなと感じました。そのひとつとも言えるのが気質の弱さ。
飼い主さんはご高齢1人暮らし。見かねた獣医さんが介入した、という境遇です。生後2か月半にして飼い主と獣医師以外、3人目に出会ったヒトが私だったのですが獣医師にだって数回会っただけですからほぼヒト慣れしていない状態です。それでももう1頭の兄弟犬は親しみ行動が多く、自ら寄ってくることができる子でした。といちは自分から寄ってくることができず触れるまでに半日かかりました。生活音やヒトに慣れ親しみが薄くしかもシャイなタイプは一般家庭犬として迎え入れるには難しいタイプ。その状況を見て知った上で連れて帰りました。
【両親犬をみることができない】
- 見せられない
例えば、劣悪な環境で飼育している場合、親犬や飼育スペースを見せることができないでしょう。「出産後でナーバスになっていて会わせることができない」などが体の良い断り文句(出産直後であればあり得ますが) - いない
また父犬は「別の犬舎からの借り物でここにはいない」という場合も。繁殖に向くオスをレンタルの交配です。書類上で情報を知りうることができるとは思いますが性格や気質は書類には記載されていません。またチャンピオン犬だからといって「=家庭犬として良い気質」と必ずしも言い切れません。 - 分からない
保護犬で全く素性知れずなわんこもいます。(保護犬といっても境遇は様々ですので母子同時保護もあります) - そもそも…
仔犬だけの展示販売の場合。親犬から引き離され販売されていれば親犬を見ることできません。
私は「出会いはご縁」と思っていますので「〇〇では絶対買ってはいけない!」とは強く唱えていません(お勧めもしませんが)。ただ両親犬が見れない不明瞭な場合、健全な仔犬ではない可能性があり、できれば心身共に健全なわんこを迎え入れ楽しいワンライフをみんなに送ってもらいたいです。
不思議なことに「普通に流通している仔犬なんだからちゃんと繁殖、飼育されているはずでしょ?」と思われている方がほとんどです。
境遇の悪いところから購入し、ご苦労されていた飼い主さんが「お金をだして(※飼いにくいタイプの)保護犬を買ってしまったのと同じだ」とおっしゃっていたのが印象深いです。
※「保護犬は大変」という偏ったイメージにならぬよう括弧内は私の補足です。保護犬でも扱いやすく穏やかなわんこも多いものです。
新しくわんこを迎え入れる際「両親犬や生活環境をみたい」という声が増えれば繁殖する側の意識もより変わっていくと思うのです。上からの法律だけでなく、一般の犬好きひとりひとりの声を下からも送ることでもしかしたら劣悪環境にいるかもしれないあなたの「愛犬の母犬や父犬」また「愛犬の甥っ子犬・姪っ子犬」の環境が適正に改善されていくかもしれません。