これからワンコを迎える方も、既に家族の一員の方も是非読んで頂きたい!犬のプロから学ぼう!わん!わん!コラム

犬のあくび(カーミングシグナル)

わんこの体の言葉

ドッグトレーナーのコラム

先日、風邪の治りかけにノドをやられて声が出なくなってしまいました。熱は下がって体は元気なのに声だけ出ずグループレッスンをお休みさせていただいたのですが、お散歩がてら公園に遊びに来てくれた飼い主様と愛犬がいました。私はしゃべれないですが顔見せに公園で待ち合わせすることに。
そのわんこは大型犬、遠くで遊んでいる姿をすぐ見つけることができました。本当は見つけた時に「こんにちは~!」と声を掛けたかったのですが蚊の鳴くような声しか出ないため全く気付いてもらえません。

「音の言葉」が届かない時は、「体の言葉」の出番です。そう、ボディランゲージです。

大きく手を振ったりジャンプしたら生徒わんこに「ん?」と気にしてもらえました。
それでも遠くから「だれ?」と注視するだけ。
そこで次に遊びに誘うボディランゲージを出してみました。
そうしたら「ん!?(ニコニコ)」と少し歩み寄ってきました。
でも途中で止まってしまいこちらの様子を伺っています(いつものように声を掛けてこないことに少し戸惑っている様子です)。
そこで静かなボディランゲージに変更、少し身を引いてしゃがんで待ってよ~という仕草をしました。

そのような音無き会話を交わしていたら、私だと気が付いたらしく遠くから思いっきり走り寄って来てくれました。正直ウルッとするぐらい感動しました。
『そうそう、わんことは「音の言葉」だけが会話じゃないんだった!』と再認識したのです。

前置きが長くなってしまいましたが、日頃ヒトは「音の言葉」でコミュニケーションをとることが多いです。欧米の方であればジェスチャー「体の言葉」を織り交ぜつつだと思いますが、特に日本人は「音の言葉」のみに頼りがちです。

対してわんこの「言葉」はどうでしょう。

もちろん「音の言葉」もあります。パッと思い浮かぶのは「ワンワン」「キャンキャン」「クゥンクゥン」「ヴ~」などだと思います。
他には「匂い」のコミュニケーションがあります。これは人間に読解するのは難しい匂いの世界が広がっているのでしょう。

これら「音の言葉」や「匂い」のコミュニケーションよりもたくさんの役割を果たすのが「体の言葉=ボディランゲージ」です。

音を出さずとも会話をすることができるボディランゲージは、耳やシッポといった部分だけでなく、体の重心や動きの緩急などの様々な表現で相手・もしくは自らに語りかけるものです。

「怖い」「楽しい」という単純な表現に留まらず、「嬉しいけれど興奮しすぎて落ち着こうとしているよ」というような複雑な胸中を明かしてくれることもあります。

『シッポを振る』というボディランゲージはよく知られていますが『嬉しい時』も『警戒してる時』もシッポが揺れます。実際、私は小さい時にシッポを振っている犬を触ろうとして噛まれそうになったことがあります。小さい私は「シッポを振る=友好的な表現」と勘違いしていたのです。でも、よく観察すると「友好」と「警戒」の振り方は似ていますが違います。
ひとつひとつ細かく解説したら膨大で、とても良いボディランゲージの本が出ています。

うなづく犬

ドッグトレーナーに必要な深読み先読みテクニックドッグトレーナーに必要な「深読み・先読み」テクニック / 誠文堂新光社
ヴィベケ・S・リーセ(著)藤田りか子(編集・写真)
…沢山の写真でわんこ達の細かな心境を解説してくれている貴重な本です。トレーナーだけでなく一般の飼い主さんにも支持されています。

こちらに任せるとして、とても繊細でたくさんのことを「体の言葉」で語りかけてくれている彼らですが、声の言葉にたよりがちな我々はそんな表現を見落としがちです。

もしくは日本人的なボディランゲージの解釈で読み解きがちです。

よくあるすれ違いのひとつに「アクビ」があります。アクビは眠い時に出るものですが、違う使われ方もします。お分かりの方も多いかと思いますが「カーミングシグナル」と言って興奮や緊張状態にある“相手”や“場面”“自分自身”をなだめ落ち着かせるような時にアクビを発動することがあります。

以前、お散歩仲間が自分の愛犬を何かで叱りつけている光景を目にしました。その時わんこは「ママ落ち着いて」と言わんばかりに顔を背けながらアクビを発動しました。
怒っている飼い主さんの人間目線では「叱られている時にアクビをするとは何て奴だ!」と余計憤慨する、というよくありがちなすれ違いです。

犬のあくび(カーミングシグナル)

他にも相手を無視して「愛想がない」と言われがちなわんこ。目を逸らしたり、地面の匂いを嗅いだりしてその場をやり過ごすボディランゲージは、実は無関心どころか相手をきちんと尊重し、コンタクトを丁重にお断りしているとってもジェントルな所作だったりもするのです。

犬 カーミングシグナル

愛犬をゆっくりのんびり観察し、時にはマネすることをお勧めします。
ペロンと一瞬舌を出してからしまう、とか口の開き方をマネてみたり、もっとマニアックなところでは動作の速度や、重心のかけ方、呼吸の仕方を観察・マネしてみるのも奥深いです。

それらの「体の言葉」は何が良くて何が悪い、ということではなく会話の一部であるということです。
「とても心地の良い時間だね~」という共に過ごしていることへの共感だったり、「あなたに身を任せているよ」という信頼だったり。「今ちょっと考えているから時間くれる?」という葛藤だったり。

わんこは日本語をしゃべってはくれませんが(時々うちの子「ごはん」ってしゃべるの!という方はいますが)我々がわんこ語で会話することはできるのです。

また、日頃のリクエストを「言葉の合図=声符(せいふ)」と「体の合図=視符(しふ)」の二通りを教えておくのもお勧めです。
今回の私のように声が出なくなった時、視符で会話ができれば円滑です。またシニアワンになって聴力が落ちてきても視符でも会話できればコミュニケーションがはかれます。
「サイレントトレーニング」は案外愛犬からの注目が集まったりもしますよ。

ボディランゲージの会話を通して愛犬に「自分の一番の良き理解者だ」と信頼してもらえる飼い主さん(=保護者)がもっと増えることを願っています。


わんわんコラムの著者紹介

WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋美和プロフィール
WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋の生い立ちから現在・・・1979年12月:誕生。先代犬メリー(柴犬)に色々と教えられる 1996年11月:認知症等の介護の末、18歳でメリー大往生 1998年4月:動物の専門学校へ入学…目標を見失い約1年程授業に身が入らず 1999年夏:犬の問題行動に興味を持ち勉強再始動。師となる英国式家庭犬トレーニングの森山先生と出会う 1999年11月:里親として愛犬といちを家族に迎える 2001年3月:専門学校卒業。森山先生を師事し共に活動。その後、辻も加わる 2003年3月:森山先生、辻と共に英国APDT協会のトレーナー資格取得 2007年1月:辻と独立、ウェルビードッグスクールを立ち上げる

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