入学シーズンの4月でもないのに「わんこの一年生」とはなんのことでしょう…!?
家庭犬とその飼い主さんのためのスクールとして犬との暮らしをサポートさせていただいていますが、ご依頼はいろいろな方からあります。人生で初めてわんこを迎え入れて一緒に暮らすというビギナーさんもいれば、生まれてからずっとわんこがそばにいる暮らしというベテランさんもいらっしゃいます。
「誰もがそのわんこの一年生」
何十年とわんこと暮らしてきても、何十頭と暮らしてきた経験があっても、同じ犬種であろうと、同じ親から生まれたきょうだいであろうと、全く同じ個性はありません。もちろん同じような行動をしたり系統が似ていることは多々あります。それぞれのわんこが唯一無二の個性だからこそ、人間側にどんな経験値があろうとも「わんこと飼い主さんの関係性」について「誰もがそのわんこの一年生」というのが私の中でのスタンスです。
さて、そんな私の勝手なイメージの中でのお話にしばしお付き合いを。
14歳7か月でお空に還っていった相棒・といちが私と暮らした年数は14年と5か月です。そのわんことの暮らしが1年経つ毎に進級していく制度と換算すると、私は「といちの15年生」。変換すると「といちに関して大学生レベル」というところ。
また、姉が欲しがり私が生まれる前からうちにいた先代犬・メリーちゃん。姉が高校受験の際にメリーちゃんのお世話全般を任されたのが9歳の時。メリーちゃんは18歳で大往生でしたが、その間の8年間お世話・介護を経験、これを換算すると私は「メリーちゃんの9年生」。変換すると「メリーちゃんに関して中学生レベル」というところでしょう。
これはあくまでも私の勝手なお遊び換算です。
もちろん年数だけでは計り知れない、それぞれの濃密さというのがあります。
ウェルビーのスタッフ辻が以前迎え入れたわんこはニューファンドランドという超大型犬、名前をゴパンといいます。
成犬の保護犬で無気力、無関心、肥満、両耳道切除手術から始まり、ダイエットするも靭帯の古傷があり下半身が利かなくなって寝たきりに。脂漏性皮膚炎、口腔内に悪性腫瘍メラノーマ(しかしのちに腫瘍が姿を消すナゾ)、嚥下困難、胃拡張。食道を垂直に保っての食事。痰など貯留物も飲み込めないので吸引器で介助。と、そんな中にあっても当の本犬は元気!食欲満点!上半身は動くので扇状に動きます。感情も豊かさが増しおもちゃに興味を示すようになって「オヤツちょうだい!」と自己主張もできるようになりました。
一気に書き綴りましたが超簡潔に書いたこの濃厚な出来事は全て迎え入れてから3年間の出来事です。
「ゴパンに関して4年生レベル」はかなり中身の濃い4年生だと思います。
これまで一緒に暮らしてきたわんこから教わり培ってきた経験値は飼い主にとって大きな財産といえます。自分で発見したこと、トラブルから学んだこと、たくさんあると思います。そしてその経験値は次に迎え入れるわんこへの自信になるといえるでしょう。
しかーし!経験値を活かして同じようにやればうまくいくかというとそうとは限らない。
例えば、先代犬は太りやすく運動や食事の管理で適正体重を目指すことがテーマだったのに対して、次に来たわんこはなかなか太れずどうやって体重増加と維持をしたら良いか試行錯誤。同じ犬種であっても真逆な経験値を獲得することもあります。
また、前のわんこはトイレトレーニングが簡単に完了したのに対して次に来たわんこではとっても苦労。でも苦労した分、飼い主さんのトイレトレーニングスキルが上がります、そして前のわんこが「普通にできていたこと」が「素晴らしいこと」だったと気付きがあったりもします。
「ずっとこの犬種を代々飼ってきたけど、こんな大変なわんこ初めてよ!」
という言葉は飼い主さんがレベルアップするためのステップにいることを感じます。
どんなにわんこを飼った経験があっても、新たな個性と向き合うはじめは「誰もがそのわんこの一年生」。だから失敗もします。そしてそこからまた学びます。飼い主の元にやってくるまでの出生と幼少体験も関係していますがわんこの個性と飼い主さんの個性、その双方の化学反応で経験や思い出が築かれていくことでしょう。
さて、あなたは何年生ですか?
当WEB管理人の徳山2号です。我が家はというと・・・こうなります♪