トレーナー歴16年と、わんこの平均寿命を上回っておりまして、当初仔犬ちゃんだった生徒わんこ達の中には虹の橋を渡って思い出となってしまったわんこも多くいます。
その後、それぞれのケースによって二代目、三代目~と「次の子を迎え入れました」とご報告をいただくと嬉しいものです。そして再びトレーニング依頼のお声掛けいただくことも。
最初のわんこでは困りごとがあって必要に迫られてトレーニングを始めた方でも、次のわんことは最初から良い関係を築けるように自らも一緒にこの子のことを知りたい、とトレーニングを受けてくださる方もいます。
問題が起こってからの修正や治療的なトレーニングではなく、お互いが暮らしやすいようにルールを共有しあったりコミュニケーションとしてのトレーニングに気付いてくださいます。
このようにトレーニングは特別なことではなく、ヒトでいう「義務教育」。
ワンとヒト双方が話の通じる共同生活を送っていけたら喜ばしいことです。
『10の治療より、1の予防』の方が断然楽しくて楽だからです。
二代目を迎え入れてから…
さて、そうして二代目を迎え入れたケースで、ちょいと耳にするワードがあります。
「前の子の時はこんな苦労しなかったなぁ」とか、
「あの子は教えなくても普通にできたなぁ」とか。
人間の記憶とは曖昧で都合の良いものでして…そんなことを言う飼い主さんの後ろの祭壇、写真の中の「前の子」にアイコンタクトをして「あなたも結構やんちゃにやってたよね~♪」と心の中でニヤリと笑い、目の前にいる二代目ちゃんに「大丈夫だよ~、あなたは何も悪くないよ~」と微笑みかけるのです。
なかなか上手くいかなかったことや、苦労した経験も長年一緒に暮らし「あうんの呼吸」にまでお互い成長していくと、どうやら昔の苦労を忘れてしまうようです^^
そう言っている方でも新しく迎え入れたわんこをきちんとかわいがっていますし、前の子の代わりではない、ということも分かってらっしゃいます。まだまだ前の子を失った悲しみも混ざっていることもあるのでしょう。
私はどちらの言いぶんも分かります。
と言うのも仔犬ちゃんというのは、かわいい小悪魔ちゃんだからです。
「見るもの・聞くもの・嗅ぐもの」全てが新鮮な反応。おっかなびっくり、でも好奇心旺盛に探索&調査をします。その調査方法というのは「何でも口に入れる!」です。
どんなに気を付けていても家具に歯型のひとつやふたつはついちゃうものです。ある意味、ちょっとした家具の歯型は「仔犬ちゃんの健全な探索済みマーク」 | また、貯めるタンクが仔犬サイズなので頻繁に排泄をする「うんち&おしっこマシーン」でもあります。 |
しかし!これだけは間違いなく言えます。
先代犬に比べて二代目が「おバカ」なわけではありません!
何年も積み上げてきた先代犬との歴史は絶大なもので「神的存在となった先代犬」と、「まっさらな新人わんこ」の比較はフェアではないことは一目瞭然です。
例え新しく迎え入れた命が、
前の子と同じ「犬種」であっても。
前の子と同じ「性別」を選んだとしても。
みんな個別。「個性」があります。
例えあなたが、
今までの人生で何頭もわんこを飼ってきたとしても。
「この犬種のことは心得ている」というくらい何頭も接してきても。
みんな新しく迎え入れたわんこに関しては1年生。
同じ腹から生まれた兄弟だって似ていたとしてもみ~んな違う個性があるし、先代犬では苦労したけど、二代目ではなんなくクリアできることもあるでしょう。
前の子からもらった経験と英知を活かし、仔犬も成犬も二代目・三代目~として迎え入れる喜びや大変さ、命を預かる上で新しい発見の連続はまた素晴らしいワンライフになることでしょう!