これからワンコを迎える方も、既に家族の一員の方も是非読んで頂きたい!犬のプロから学ぼう!わん!わん!コラム

犬の鼻

わんこの鼻

ドッグトレーナーのコラム

三寒四温。春がもうすぐそこまで来ていますが、この季節スギ花粉でお悩みの方も多いかと思います。私もスギ花粉には十数年悩まされているのですが、わんこの中にも花粉アレルギーで悩んでいる子は少なくありません。花粉症の症状として人間は鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどが代表的ですが、わんこの場合は皮膚のかゆみとして出ることが多いようです。

「犬は鼻が湿っていると健康」と言われたりしますが「適度にしっとり」が良しとされます。鼻が濡れていても花粉とは関係なく鼻炎で鼻水を垂らす場合もありますし、健康体であっても朝起きた時は乾燥していることもあります。鼻が湿っているか、と言う一点だけに囚われず全体的にみれると良いですね。

犬の鼻

さて、犬の嗅覚は人間の数千倍とも百万倍以上とも言われ優れていることは良く知られていますが、時々疑問の声を聞いたりします。
「うちの子鼻が利かないみたいで落ちたオヤツをなかなか見つけられないのよ」とか
「ほら、目の前に落ちてるじゃない。お鼻で分からないの?」と言った感じです。

優れているのは「匂いの中の匂いを嗅ぎ取る・嗅ぎ分けることができる」という意味合いの能力です。「離れている匂いを嗅ぎとる」や「強烈に匂いを感じている」ということと誤解されがちです。もちろん落ちている物が強烈な匂いであったり風向きが風下であれば嗅ぎ付つけやすくはなるでしょう。

警察犬のジェーマン・シェパード・ドッグが犯人の追跡で地面の匂いを嗅いでいる姿がテレビで映し出されたりしますが、地面に落ちた匂いを追っていくよりも空中を漂っている匂いを嗅ぎ分け追跡する方がはるかに難しく、どの犬でもできるものではないそうです。

鼻を使う作業は経験値も重要な要素です。匂いを嗅ぎつけた先で美味しいものを見つけてゲットできた経験のあるわんこは鼻を良く使おうとします。
ちょっと話は逸れますが「うちの子お散歩中、ずっと下を向いて匂いを嗅いだままで歩くんです。まるで掃除機みたい…」というお悩みを聞いたりもします。このような場合、「楽しいことは地面に落ちている」という経験値が強いことが多く下ばかり向きたがります。でもアイコンタクトでご褒美のフードがもらえるよ、などのトレーニングを教えていくと「掃除機犬」は返上できるのです。

犬の匂い嗅ぎ

よくある質問で「お散歩でどれくらい匂いを嗅がせても良いのでしょうか」と聞かれます。
これは月齢や個体差もありますので良い・悪いと一律には言えませんが、匂いを嗅ぐ行為は精神衛生上重要な活動のひとつと考えます。人間でいうところのウィンドショッピングや週刊誌を読む感じと似ているでしょうか。

ただ何の匂いをターゲットに追っているのか分からずただ好き勝手に嗅がせ過ぎてしまうと、拾い食いやノーコントロール状態などに繋がりかねず危険なこともあります。

それであれば匂いのターゲットをこちらが用意しそれを隠し宝探しゲームとして鼻を存分に使ってもらう作戦があります。わんこは本来「探索意欲」が高く、探すという習性が備わっていますので本能を満たしてもらうには楽しい遊びです♪
特に雨でお散歩があまり楽しめない時などに頭を使うゲームをしたり、鼻を使った作業をさせることで走り回らずとも充実感を感じさせることができます。

これはシニア期を迎えるわんこにもお勧めです。鼻を使った探索はゆっくりとした動きですので怪我をしにくいです。しかもシニア期を迎えるわんこは世の中のことをだいぶ知っていますので「この間もここに隠してあったぞ」という経験や「さっきこの辺に隠したのを見たぞ」という観察眼が鋭くもあります。

他にもわんこの鼻に関して、「嗅ぐ」という行為は自信を示すこととも繋がっています。苦手なことがあっても相手の匂いを嗅ぎにいけるのであればそれはとても勇気のいる行動で良い自信に繋がることでしょう。
また、人間はある場所を景色などを見て視覚的に記憶したりしますが、わんこは匂いで記憶をするとも言われます。

鼻を使う活動

わんこにとって鼻を使う活動は、生きがいとしても機能的にも重要な役割を果たしていますね。わんこの嗅覚の世界を一度体験してみたいものです。
くれぐれも強烈な香水などでわんこの鼻をいじめないであげてくださいね!


わんわんコラムの著者紹介

WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋美和プロフィール
WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋の生い立ちから現在・・・1979年12月:誕生。先代犬メリー(柴犬)に色々と教えられる 1996年11月:認知症等の介護の末、18歳でメリー大往生 1998年4月:動物の専門学校へ入学…目標を見失い約1年程授業に身が入らず 1999年夏:犬の問題行動に興味を持ち勉強再始動。師となる英国式家庭犬トレーニングの森山先生と出会う 1999年11月:里親として愛犬といちを家族に迎える 2001年3月:専門学校卒業。森山先生を師事し共に活動。その後、辻も加わる 2003年3月:森山先生、辻と共に英国APDT協会のトレーナー資格取得 2007年1月:辻と独立、ウェルビードッグスクールを立ち上げる

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