これからワンコを迎える方も、既に家族の一員の方も是非読んで頂きたい!犬のプロから学ぼう!わん!わん!コラム

わんこと服

ドッグトレーナーのコラム

「犬を飼うのは初めてです」という飼い主さまからよく頂く質問があります。

「寒くなってきたらお洋服を着せないとかわいそうですよね?」や「服を着せないと風邪ひいちゃいますよね?」などです。もっとおもしろビックリしたのは「裸ん坊だとかわいそう!」と言われたことがあります。
そんな時は「よく見てください♪この子はいい毛皮着てますよ~」というと笑っていただけます。

当たり前のことですが母犬は仔犬に服を着せません。わんこに服を着せることは人間世界の都合です。とは言え、服を着せることがわんこの「生活の質の向上」に繋がる場面もあります。その際はわんこに納得してもらい心地よく着てもらうことが重要なことと思います。
今回は服のもたらすメリット・デメリットや注意点などを挙げそれぞれにあった選択の参考になればと思います。

服の様々な用途

やはり一番多いのは寒い季節、防寒・防風ではないでしょうか。
季節の変わり目で、朝晩や日ごとに寒暖差がある時などです。冬になり寒さに体が順応してしまえばよいのですが、寒暖差が激しいと変調をきたすこともあります。例えば家の中と外との温度差をカバーする為にお散歩の出始めは着せるというもの良いかと思います。

基本的にわんこは暑さの方が弱い傾向にありますが、寒さが苦手というわんこももちろんいます。特にシニアのわんこの場合は自己の体温調節機能が緩やかに衰えてきます。「今までこのくらいの寒さは平気だった」という場合でも油断は禁物です。

毛あしが短くツルツルした犬種も寒さに弱いことが多いです。例えば101匹わんちゃんでおなじみのダルメシアンやスヌーピーのモデルとなったビーグル。イカツイ表情や精悍な顔立ちから屈強で寒さ知らずに見えますがボクサーやドーベルマンピンシャーなども実は寒がりさんなことが多いです。

毛が長くても毛質がシングルコートのわんこは寒さに弱い傾向にあります。(※シングルコートについては2015年1月の記事「わんこと掃除~被毛~」が参考になります。)

怪我をした場合や、手術後の傷の養生の為に医療の現場でもわんこ服が使われることがあります。お腹の傷には腹巻き状のもの、人間の靴下を切って使ったりすることもあります。
包帯を巻くような医療行為も「何かを身に纏う」ことに慣れているとすんなり受け入れてくれます。逆に慣れていないと医療行為が過度のストレスになってしまったり、食いちぎって飲み込んでしまったり、更には自分で抜糸(痛い!)してしまうわんこもいます。万全を期す場合にはエリザベスカラーなどの選択肢になるかと思います。

介護・介助用の服もあります。介助者がわんこを介助しやすいように作られたもので介助が必要なところによっても形が異なります。

犬、介護、介助の服

レインコート、買ったけど全然ダメだった…という声はよく耳にします。防水加工の為に大抵の場合は硬い素材で伸縮性に乏しく「着せたはいいけど動かない」とか「結局濡れてしまう」声が多いです。
雨除けとしては主に背中を雨に濡れるのをカバーするマントタイプと、地面からの泥跳ね除けに前胸やお腹をカバーする前掛けタイプ、首や足首までスッポリとカバーするフルガードタイプなどがあります。
ALPHAICON(アルファアイコン)というメーカーのものは、フルガードタイプでもわんこの動きを損なわない良品です。雨の時だけでなく雪山(特に乾いた雪)に遊びに行く時も有効です。特にプードルやロングコートのチワワやダックスフンドのようなふわふわ毛や飾り毛のあるわんこは、雪が四肢や胴体にくっつき「雪玉状態」で重たくて走れなくなってしまうことも。この雪玉対策や秋のひっつき虫対策としてもALPHAICONはオススメです。(回し者ではありません…)

わんこに対しての用途ばかりでしたが他にもマナーコートというものがあります。盲導犬などの介助犬が身に付けているものです。「お仕事中」であることを知らせる為の表示でもあり「公共の場に毛を落とさぬよう極力配慮しています」という意味合いもあります。

服に慣れてもらうには

第一歩としてはバンダナをお勧めします。輪っか状にしてわんこ自ら頭をくぐらせるように導けると理想的です。
次は伸びる素材で袖がないランニングタイプ。この時「お手」を知っていると脚を入れる時の手助けとなります。
お散歩などで疲れて眠いような落ち着いた時間帯に行うのも吉。わんこの知育玩具コングなどにわんこの好きなフードを詰めておいて着せたらコングを舐めさせたりなど、暇にさせないことも重要です。

ご注意頂きたいのが「袖を通すことに気が行きすぎてわんこの脚を無理に曲げてしまった」ために服を着せる時に唸って嫌がるようになってしまったわんこがいました。痛かったのでしょう。このわんこの場合はそれまで普通に着ることができていて、成長に伴いサイズがきつくなってきていたことが原因と思われます。
袖ありの場合は愛犬の脚の長さや可動域を考えた無理のないサイズや素材をチョイスしましょう。

着脱の際、「カチンッ!」と音が鋭いボタンタイプや、マジックテープタイプは脱がす時に「ベリッ!」と大きな音がします。音のすぐ後にご褒美となるものをあげて慣らしてあげたり、ファスナータイプのもので被毛やお肉を挟んでイテテテ!とならないようにもご注意を!

まとめ

有用な用途などを挙げてきましたが「過ぎたるは…」という言葉があります。シニアや療養中のわんこなら別ですが、長時間服を着せたままとなると毛玉の原因になったり、過保護にし過ぎると自己体温調整機能が衰えてしまうものです。

被毛はコート。元気なわんこは被毛のお手入れを!
まずは自らのコートを健全に保ち上手に服を活用するというのも良いと思います♪


わんわんコラムの著者紹介

WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋美和プロフィール
WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋の生い立ちから現在・・・1979年12月:誕生。先代犬メリー(柴犬)に色々と教えられる 1996年11月:認知症等の介護の末、18歳でメリー大往生 1998年4月:動物の専門学校へ入学…目標を見失い約1年程授業に身が入らず 1999年夏:犬の問題行動に興味を持ち勉強再始動。師となる英国式家庭犬トレーニングの森山先生と出会う 1999年11月:里親として愛犬といちを家族に迎える 2001年3月:専門学校卒業。森山先生を師事し共に活動。その後、辻も加わる 2003年3月:森山先生、辻と共に英国APDT協会のトレーナー資格取得 2007年1月:辻と独立、ウェルビードッグスクールを立ち上げる

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