これからワンコを迎える方も、既に家族の一員の方も是非読んで頂きたい!犬のプロから学ぼう!わん!わん!コラム

犬とスリッパ

わんこといたずら(?)

ドッグトレーナーのコラム

年末年始から仔犬ちゃんの依頼が増える時期(冬休みやクリスマスに飼い始める方が多いよう)です。
ウェルビードッグスクールの傾向としては「初めて犬を飼う」という方や「仔犬から育てるのは初めて(昔実家では飼っていたけど世話は親がやっていた)」という方が多いです。中には「今までも飼っていたけどこんな大変な仔犬は初めて」という方もいらっしゃいます。
例え同じ犬種であったとしてもそれぞれ個性がありますので全て同じようにとはいかないものですね。

仔犬ちゃんは見るもの聞くもの嗅ぐもの全てが新鮮で、その目を輝かせている様子はまさに純真無垢。教えるこちらもウキウキしちゃうのです。

飼い主様からの依頼の第一関心事は、家庭犬として飼うにあたっての基本的なこと「エッセンシャルトレーニング」や「ファンデーショントレーニング」と言いますが、コミュニケーションの取り方やトイレの教え方、甘噛みに関してなどです。

それらの次くらいに関心が高いものとして「イタズラ」があります。

例えば、

  • 新築のおうちなのにリフォームが必要な程かじった
  • 貴重で高価な絨毯端のフサフサを全て食いちぎった
  • 大事な書類や一万円札をビリビリにされた、など。

純真無垢な天使ちゃんは、なんでもありの小悪魔ちゃんでもあるわけでして…。

確かに人間(おとな)からしてみたら「またそんなのかじって!もうイタズラばかり!」って思ってしまうのも無理はありません。

ただ視点を仔犬目線に変えて見てみると「なんだこれ?」と、幼い個体からしてみれば当然の興味だったりします。人間の赤ちゃんもなんでも口に入れてしまう時期があるかと思います。

かじってみて美味しくなかったり、楽しくなければ興味は薄くなっていくものですが、美味しかったり面白い反応があると再び口にしてしまいます。

犬とスリッパわんこが興味を示しやすいもの1位として「飼い主さんの匂いのついたもの」が挙げられます。手の匂いのついた「ペン」「携帯電話」「リモコン」「メガネ」や、足の匂いのついた「スリッパ」「ストッキング」などです。

ついリビングにポンと置き忘れたペンは、グニャリと曲がり赤のインクがまるで血のようにスプラッタわんこを作り出してしまいます。
中には「メガネを何個破壊されたことか…」という時点で依頼が来ることもあります。

全ての方に共通してお伝えすることは

「おうちの中の整理整頓。仔犬の口の届くところに取られて困る物を置かない」

です。「ちょっと届かなそうな上に置く」というのは「ちょっと頑張ったら取れた」時に事を一層難しくします。「絶対に届かないところに置く」ことが最善の策と言えます。

異物誤飲

「壊された」「使い物にならなくなった」時点でも充分困ることですが、まだ良い方です(万札をちぎられて再発行不可はかなりの痛手ですが!)。これらをかじって遊ぶだけでなく飲み込んでしまう、いわゆる「異物誤飲」は、わんこの生命の危機に繋がります。

ストッキングや紐などは素材が柔らかいので危険性が低いように思われがちですが、複雑な腸の中に長く伸びてしまうと部位が広範囲で開腹手術は難しいことが多いとのこと。

レッスンを始めたばかりの大型犬の仔犬がいたのですが、話の中で「ストレス解消にトウモロコシの芯をかじらせている」とのことだったので危険性を伝えあげるのをやめてもらいました。しかし2週間後に体調が悪化、緊急手術。実は話をした後に「最後のトウモロコシだよ」とあげたとのこと。それが2週間お腹の中に留まり開腹手術となってしまいました。

以前、ゴキブリ退治用の置き型の薬を食べてしまったわんこがいました。メーカーや商品名を調べ成分特定し治療となりました。飼い主さんのお薬を飲んでしまう例も結構多いです。どんな名前で成分などが分かれば治療も変わってきますので、万が一の時は飲み込んだ物がどんなものなのか獣医さんに伝えられるようにするのも大切です。

他にも壊れやすいゴムのおもちゃをちぎって飲み込んでしまった子、キシリトール入りのボトルで売られているガム(人間用)を食べ肝臓機能をやられ「今夜が峠」と言われてしまった子、バレンタインの日に置いておいたチョコレートを食べてしまった子…。

あげればキリがないくらいです。幸いうちの生徒さんの中では命を落とすまでのわんこはいませんが、残念ながら助からなかったケースの話も耳にします。

そのおうちによってもできる対策もさまざまだと思います。扉付きの棚や箱などにしまう習慣や、苦いスプレーや留守番時のハウス※の活用などがあります。

 >>(※ハウストレーニングに関してはわんこと防災で)

朝、ハウスから仔犬ちゃんを部屋に出す際には「仔犬の目線」まで顔を下げ、落ちている物・置き忘れている物がないかのチェックを心がけましょう。(例えばソファの下や家具の陰など)

黒ラブ最後にうちの生徒さんからの教訓写真です。「気を付けないとこんなになっちゃいますよ」という飼い主さんの反省の元、写真を提供して頂きました。

ラテックス性の手袋を大量に飲み込み上から下から次々出て大変だったとのこと。そのまま数枚滞留していたものと、更に後日ストッキングも飲み込み緊急手術。幸い無事開腹も終わり、今は回復しているとのことです。(手術画像がありますので苦手な方はご遠慮ください。

 >>開腹写真(手術写真)はコチラ

環境整備が大切ですが、かじってよい物(コングなど。壊れにくく飲み込めない大きさ)を用意し、日頃からの社会的刺激(頭を使う遊びや社会化見学をするなど)を満たしてあげられるように仔犬ちゃんのニーズを満たしてあげるようにできると良いですね!


わんわんコラムの著者紹介

WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋美和プロフィール
WELLBE DOG SCHOOL ウェルビードッグスクール 刈屋の生い立ちから現在・・・1979年12月:誕生。先代犬メリー(柴犬)に色々と教えられる 1996年11月:認知症等の介護の末、18歳でメリー大往生 1998年4月:動物の専門学校へ入学…目標を見失い約1年程授業に身が入らず 1999年夏:犬の問題行動に興味を持ち勉強再始動。師となる英国式家庭犬トレーニングの森山先生と出会う 1999年11月:里親として愛犬といちを家族に迎える 2001年3月:専門学校卒業。森山先生を師事し共に活動。その後、辻も加わる 2003年3月:森山先生、辻と共に英国APDT協会のトレーナー資格取得 2007年1月:辻と独立、ウェルビードッグスクールを立ち上げる

川崎市麻生区の不動産、株式会社BBTエブリワンズホームへの各種お問い合わせはこちらから

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